Bグループ 構造系

ここではローバーの設計について詳しく説明したいと思います。

◎CanSatのサイズの規定と重量に関して

ARLISSの規定を参照:オープンクラスは重量1050g 以下、高さ240mm 以下、直径146mm 以下となっております。

1050g以内で重量を収めることとなっていますが、本グループでは飛行物にパラフォイル・パラシュートを使わず、グライダーを用いたためグライダーの質量分ローバーを軽量にしなければなりませんでした。グライダーの予想重量は300gとなっており、最低でも700g以内に収めなければ規定違反となってしまいます。なのでローバーではできるだけ軽く、そして衝撃にも耐えられる丈夫な材料を用いることを検討しました。ここで使用した材料を上げていきたいと思います。

◎主な材料

①バルサ板

これはローバーの車体のベースにするために軽量な板を採用しました。少し、強度に不安がありますが...

これは実際に重量を測った時のモノです(使用するために8㎝×15㎝×1㎝にカットしました。)


②低反発ウレタンフォーム

これはローバーのタイヤとして使用します。始めは3Dプリンターを用いてABS樹脂で、作製する予定でしたが衝撃を受ける際に不安があったため、衝撃吸収にも役に立つ他にも、軽量ということで使われていたスポンジを用いてタイヤを製作しました。スポンジでも柔らかいタイヤとして機能しないので少し硬い素材にしました。低反発枕くらいの硬さです。

軽量であるかはさっきのバルサ板のようにはかりで計測したものがあります。

大まかな構造の地盤は上の2つになります。ここからは構造班が製作していったものを紹介したいと思います。

①モーターの土台部分

バルサ板にモーターを直接つけることは難しくモーターの土台を作ることにしました。設計するときに使用したアプリケーションソフトはBlenderとAutodesk社のFusion 360を使用しました。BlenderとMakerbotの3Dプリンターが相性が悪くstlファイルに直してプリントしてみると中身がすかすかなモノとなってしまい、失敗。そこでFusion360を用いて設計をし、3Dプリンターで製作すると上手くいきました。

モーターの形は円柱型であったので次のような設計をしました。左の画像がBlenderで作成したもので右側の画像がFusion360で設計した土台です。

実際にモーターを取り付けてみてもちょうど収まるような形となりました。実際に固定してみた画像はこちら

しかしながら、モーターの問題によって、新しくモーターを設置することにしました。

なので、モーターの土台も3Dプリンターで作製することになりました。使用した材質は前回と同様に、ABS樹脂を用いて3DプリンターMakerbotを使って作製しました。今度は長方形型のモーターで構造系の二層構造の軸になるように蓋を作りました。モーターと2層目を固定するような構造にしました。長さの調節をするために作製した蓋の部分をやすりで削り取り外しが楽にできるようにして、なおかつしっかりとモーターを固定できるようにしました。

設計をしたものと実際の組み立てたものの画像は下に示します。


②収納箱

本グループのミッションである、「物を壊さずに運ぶ」を達成するために、今回運搬物に設定したチョークを収納する箱を製作しました。材料は、大学の工房の端材にあったMDF(Medium density fiberboard)という木材繊維を固めた板を利用させていただきました。設計には、MakerCaseというレーザーカッター工作用のデザインアプリケーションを使用し、そのデータをAdobe illustratorで調整したものをレーザーカッターで切り出しました。

設計図と、完成したものがこちら

③モーター固定具

モーターシャフトをタイヤに固定するために、収納箱と同じくAdobe illustratorを用いて固定具を製作しました。周囲の4か所にタイヤとねじ止めする穴を開けて、中央の穴がモーターのシャフトを差し込む穴です。最初の設計の際はシャフトを差し込む穴は円形だったのですが、製作途中でモーターを別のものに変更したため、それに合わせて円形の一部を切り取ったような形に設計を変更しました。

設計図と、部品をタイヤに取り付けた様子がこちら

ローバー全体の組み立て

2層構造で設計をしているので2層目の軸として、余っているカーボンロッド7㎝程の長さのものをバルサ板に接着剤で固定して2層構造を作製していきました。上層には電子基板とArduino、下層にはバッテリーとモーター、そして収納箱を設置しました。全体構造と重量を測ったものが下に示すものとなります。

実験をしたところモーターのトルクが足りず実際に走行することができませんでした。

なので、高トルクのモーターを新たに用意しました。そのモーターの大きさは縦12mm,横10mm,奥行26mmの大きさです。とても小さいにもかかわらず、力強い回転をしてくれます。

新しくした土台を使用したローバーでは、モーターを新装したため100g近く軽量化に成功しました。下に完成したローバーを示します。


さらにグライダーのコンテナにスムーズに収納するためには上層のジャンパ線がまとまっておらず、うまく収納できませんでした。そこで、アクリル板を使用してまとまりを良くし、コンテナからの脱出のためサーボモーターを設置しました。

下図に完成したローバーの重量を測ったものを示します。

Project17 めざせ宇宙開発 - 自律移動ロボット飛行プロジェクト

このサイトは、公立はこだて未来大学のプロジェクト学習としてCanSatに挑戦している人たちのサイトです。CanSatとは、人工衛星ミッションをコンパクトにしたシステムです。本プロジェクトではCanSat用の機体の開発とその道中で得られる様々な学びを目標としています。

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